Last Updated on 2023年4月29日
薬事職に限らないですが、厚生労働省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 、都道府県や第三者認証機関に医薬品(や医療機器)等に関する手続きの主な提出様式として申請書と届書(以下、申請書等)があり、申請書等の作成と提出は薬事職の業務の一つであると言えます。今回は申請書等の作成をテーマに紹介いたします。
申請書等はすべてFD(フレキシブルディスク)申請に基づいて作成しなければなりません。FD (フレキシブルディスク)はもうご存知ない人も多いかもしれませんが下の写真(フロッピーディスク及びフロッピーディスクドライブ)の通り、フレキシブルディスク=フロッピーディスクという古い磁気記録ディスクを意味します。
現在、運用しているシステムが未だにその名前ということが少し信じられないですが、調べた限りどうやら1997年には存在しているシステムのようです。また、手引きの書籍の記載例を見るとFDへ貼るラベル記載例が記されているため、少なくとも古くはFDが提出方法であったと思います。さすがに現在ではFD 以外のCD(やDVD)が使われることが多く、そしてオンラインによるWEB上での提出に切り替わりつつあります。しかし、昔から紙だけでなく記録媒体/オンラインを通して電子ファイルでも申請書等が提出が求められていたことは変わりません。むしろ全てではないですが紙での提出が現在では不要となってきています。従ってWEB上の説明や記載を見ると正確にはFD(フレキシブルディスク)だけに限定せずにFD(フレキシブルディスク)等と記載されていることが多いです。
そんな電子データで求められる申請書等の作成に必要な2つのソフトあるいはプラットフォームがあり、医薬品や医療機器等のカテゴリーに応じて、どちらかを利用します。
一つ目は医薬品等電子申請ソフトです。厚生労働省が管理する以下のWEBページからダウンロードすることができます。私は口頭では”申請ソフト”あるいは”FDソフト”と言うことが多いと思います。
https://web.fd-shinsei.go.jp/index.html
詳細な動作環境は省略しますが、Windows OSのPCが必要となります。ダウンロードにあたって必要な資格や情報はないため動作環境さえ準備すれば誰でもダウンロードすることができます。現在では医薬品等電子申請ソフトは医薬品・医薬部外品・化粧品・体外診断用医薬品・再生医療等製品の承認・許可・認定・登録に関する申請書等の作成に使用できます。
二つ目が医療機器WEB申請プラットフォーム(DWAP:ディーワップ)です。2011年より医療機器を対象に上記FD 申請システムに替わる新たな電子申請 システムとして稼働したプラットフォームです。こちらもWindows OSのPCが動作環境として必要になります。
DWAPページ:https://www.dwap.pmda.go.jp/dwap_shinpou/login/dwpMWK0010g_pmda.action
IDやパスワードを入力することでログインして操作することができPMDAサーバーに電子データを送信することができます。残念ながら、こちらは医薬品医療機器等法に基づく許可を持つ業者向けのシステムになっており、アカウント申請時に業者コード等が必要となっております。
私はDWAPを使用したことがないのですが、使用した人曰く医薬品等電子申請ソフトには戻れないそうです(笑)。逆に言うと医薬品等電子申請ソフトは動きが遅いというか融通が利かないソフトであることは異論ないと思います。
今回はテーマ「申請書等の作成」第一弾として申請書等の作成に必要なソフトとプラットフォームを紹介しました。私が使い始めた頃は、何も知らなかった状態から薬事業務の必要に迫られて準備・使用しましたが、今回記事にするにあたって調べてみると長い歴史があるとつくづく思います。FD申請システムも長期運用してきたシステムですが、聞いた話では厚労省あるいはPMDAにDWAPのような新規システムを取り入れる予定はないそうですので令和の時代もFD(等)申請(等)で引き続き業務に励んでいきます。
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No011:申請書等の作成方法(2)