Last Updated on 2023年1月14日
こんにちは、ペンギンです。私は現在、製薬会社で薬事職として従事していますが、医薬品の開発職であるCRA(モニター)職から自身のキャリアをスタートしました。私自身、CRO-CRAから薬事職へのキャリアアップは自分自身の努力や希望以外の要因もあるため確実にCRAから薬事にポジションを変える方法というのはお伝えすることができません。ただ、薬事になるために各ポジションにおいてできることを続けたことが無駄にはならなかったと思います。そこで今回はCROのCRA職におけるキャリアデザインについてご紹介いたします。
担当する専門領域について
CRAは担当する専門領域や担当試験を選ぶということは難しいことと思います。しかし、もし選ぶことができるのであれば、できるだけ異なる専門領域の試験を受け持つようにした方がいいです。製薬会社にとっては過去に同じ専門領域を担当したことのあるCRAに試験をお願いしたほうが事情を知っているため依頼しやすいです。しかしCROの利点は専門領域を持つ製薬会社とは異なり、様々な製薬会社の専門領域を持つことができることが強みです。従ってCROの強みに従って、できるだけ異なる専門領域を担当した方がCRAのキャリアの幅が広がります。例えば製薬メーカーに転職を希望する場合であっても、担当領域を多く経験した方が、製薬メーカーが希望する専門領域をカバーする可能性が高いです。逆に製薬メーカーの専門領域でない試験をいくら経験しても転職がうまくいかない可能性があります。一時期に比べて勢いは落ち着いていますが、迷った場合はとりあえず抗癌剤領域を希望するといいと思います。
担当する医療機関について
担当する医療機関についてはできるだけ難易度の高い医療機関を担当することを目標としたほうがいいです。具体的には大学病院であったり、医療センターであったりになります。仕事を初めてすぐには担当できないと思いますが、2-3試験経験する頃にはチャレンジする機会が出てくると思いますので、大学病院等を担当するチャンスを逃さないようにチャレンジしていきましょう。最終的な目標としては試験のKOLの医療機関を担当することにあります。(KOLの医療機関は、CROではなく製薬メーカーのCRAが受け持つことが多いですが…)
担当する試験の相について
担当する試験相について、CROに仕事の依頼がくる相は圧倒的にII相やⅢ相が多いと思います。なぜなら試験期間が長く必要な症例も多いため人手が必要になるからです。一方でⅠ相試験は企業によってはCROには依頼せずに社内で実施、対応する場合が多いです。従って、Ⅰ相試験を実施するチャンスがあれば、一度は経験してみるといいと思います。Ⅱ相、Ⅲ相とは違い、少ない人数で短期間での実施になるため、異なるモニタリングスケジュールや管理が必要になります。
CRA・製薬会社の働き方を知る
上記以外にも製薬会社の種類や規模、CRO・CRAの参加方法によって試験の進め方や体制が大きく異なります。下記に、主に製薬会社の規模(外資、内資の差を含む)と受託型・派遣型でどういう利点があるかマトリクス分析によって、まとめました。
一般的に上図のBやDの働き方がモニターとしては高い給与を得やすい傾向にあると思います。しかし、A〜Dのそれぞれにおいてメリットがあり、できるだけ対角線に業務を経験することで様々な経験を経てCRAとして成長するポイントになるかと思います。そして、企業規模の違いは製薬会社への転職する際にも参考となる指標にもなります。転職先の製薬会社で何をしたいか、どうなりたいかを元に転職する製薬企業を選ぶことで、5年後、10年後のキャリアは大きく異なります。外資や大手の試験を一度は経験しておくと良いと思いますが、様々な経験をすることで自分のやりたいことを見定めることが、人それぞれの最善のキャリアデザインにつながると思います。
まとめ
私自身の経験を中心にCRO-CRAで何を実施していくか、どういったことを学んでいくとよいかまとめてみました。本文中には一般的なCRAのキャリアアップの一つとして製薬会社への転職を記載しました、実際にCRO で上記すべての経験ができていれば、製薬会社でCRAとして働いた場合でもある程度スムーズに働くことができると思います。もちろん、今回の内容はCROのCRA全般のキャリアアップに通ずる部分でもあると思います。必要に応じてCRO間での転職も選択肢としてアリだと思います。
私が、過去の転職でどういった内容が自分の強みになったかというと、辛かった経験・業務が自分の強みになりました。面接等でも、辛かったからこそ説得力のある成功体験になっています。新しいことや面倒なことは対応しているときは辛いですが、終わってみると自分自身の立派なキャリアとして残ります。未来の自分を描きながらチャレンジし続けることがより良いキャリアデザインにつながると思います。